ダイヤモンド原石は独特の方法で販売されている

世界のダイヤモンド産業を巨大シンジケートでコントロールするデビアス社は、今でも全世界で産出されるダイヤモンド原石の80%近くを扱っています。デビアス社におけるダイヤモンド原石の販売部門は、以前は中央販売機構(CSO)という組織でしたが、現在はダイヤモンド・トレーディング・カンパニー(DTC)という名前に変りました。しかし、その独特な販売形態は今も昔も変りありません。
サイトとサイトホルダー
DTCは、サイトと呼ばれているダイヤモンド原石を販売する催しを、年に10回ほど開催します。サイトに参加することができるのは、「サイトホルダー」と呼ばれる業者だけです。サイトホルダーとは、独自の基準でデビアスが選んだ業者のことで、誰もがなれるというわけではありません。 サイトホルダーは、DTCから原石の詰まった袋を提示されます。サイトホルダーには、袋ごと全て買い取るか、何も買わないかの二者択一の選択肢しか認められていません。価格もDTCが提示し、交渉は一切できません。 度々購入を拒否すれば、サイトホルダーの資格を失うことになります。 それでも世界中のほとんどのダイヤモンド業者はサイトホルダーからダイヤモンドを購入するしかないので、サイトホルダーのメリットは大きいのです。 こうした仕組みによってデビアス社は、ダイヤモンドの価格をコントロールしているというわけです。