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ダイヤモンドカッターの歴史

ダイヤモンドカッター ベルギー アストラリスダイヤモンド

ダイヤモンドのカットの変遷

ダイヤモンドは古代インドでは紀元前から採取されていました。しかも、古い時代にも関わらずインド人たちはダイヤモンドの研磨技術を開発していたそうです。ただ、当時は今のような細かい面を作るカット法ではなく、カボション・カットのように面をつけていない石として楽しんだのではと考えられています。

ダイヤモンドにさまざまなカットを施すようになったのは中世のヨーロッパです。古い時代のことなので、諸説あるのですが、初めてダイヤモンドの研磨に成功したのは15世紀のことという記録があります。ベルギーのラドウィックヴァンベルムというダイヤモンド職人が「ダイヤモンドはダイヤモンドでカットできる」ことに気がつきました。

また、中世のパリでダイヤモンドの研磨職人が活躍し、さまざまなカット法を考案したといいます。17世紀になってようやく現在のブリリアントカットの前身といわれる「オールド・マイン・カット」が生まれます。そこから少しずつ変化していき、1919年にマルセル・トルコフスキーによってブリリアントカットが完成しました。

それまでには多くのダイヤモンドカット職人「ダイヤモンドカッター」が試行錯誤してきたということです。

現代のダイヤモンドカット事情

ダイヤモンドといえばベルギーと連想されるほど、昔からベルギーはダイヤモンドとの縁が深いところです。現在でも世界中のダイヤモンドの8割はベルギーに集まるといわれています。特にアントワープ中央駅近くの1k㎡の地区だけでもダイヤモンド関連の会社が約1800社あるそうです。ここにダイヤモンドの原石の8割が集まり、カットされたダイヤモンドが世界中に運ばれていきます。日本に出回っているエクセレントカット(カットのランクが高いもの)の多くは、ベルギーでカットされたものだといわれています。

では、日本にはダイヤモンドカッターはいないのでしょうか?決してそんなことはありません。日本にもダイヤモンドカッターは存在します。ただ、日本は人件費が高いので、どうしても人件費が安いインドなどで行われてしまいます。特に小さなダイヤモンドはインドで、大粒のダイヤモンドはアメリカで、中粒のダイヤモンドはイスラエルでカットされることが多いようです。

ダイヤモンドは原石1個から大小2個のダイヤモンドを作ります。ダイヤモンドにはへき開性があり、ある一定の方向には簡単に割れるという特徴があります。その特性を生かしてカットしていきます。細かい作業はダイヤモンドをダイヤモンドで研磨していきます。1つのダイヤモンドをカットするのには大変な時間と集中力が必要です。日本の工房でも独自に開発した研磨機械で少し研磨しては計測、研磨、また計測を繰り返していき、1つのルースを研磨するのに1日半を費やしています。繊細な日本人の感性で、最高級のダイヤモンドが完成されています。

ダイヤモンドの本場ベルギーのカット

日本の技術も優れていますが、ダイヤモンドの本場ベルギーにも素晴らしい技術があります。特に「ダイヤモンドカッターの巨匠」と呼ばれる人物が何人かいて、ブリリアントカットの最上級とされるトリプルエクセレントのカットを次々と作り出しています。

例えば一般的なブリリアントカットの58面よりもさらに多い89面のカットの「アストラリスダイヤモンド」を作りだしたガビ・S・トルコフスキーや、ハート&キューピットの研磨に成功したフィリッペンス・ベルトなどのダイヤモンドカッターは世界的にも有名です。2人ともベルギーのアントワープで活躍しています。ただ、彼らはチームを組んで仕事をすることが多いようです。個人でもダイヤモンドカッターとしての優れた技術を持っていますが、決して1人だけの力ではなく、多くの仲間が力を合わせて作っているということです。

最近ではカット面が105面もあるカット法も完成されています。これからどんな風に進化していくのか、楽しみですね。

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