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伝説のダイヤモンド「コ・イ・ヌール」

ダイヤモンド

世界最古のダイヤモンド「コ・イ・ヌール」の伝説

「コ・イ・ヌール」と呼ばれる1粒のダイヤモンドがあります。
現存する世界最古のダイヤモンドとして有名で、19世紀の終わりに南アフリカの鉱山から大粒ダイヤモンドが次々と発見されるまでは、世界で最大のダイヤモンドとされていたものです。
多くのエピソードを持つこのダイヤモンドは、現在は、イギリス王室のエリザベス皇太后の王冠に飾られていて、ロンドン塔で展示されています。元々は186カラットでしたが、後にカットがし直され108.93カラットになっています。

「コ・イ・ヌール」とはペルシャ語で「光の山」を意味し、このダイヤモンドを所有するものは、世界を征服すると言い伝えられています。
このダイヤモンドについては、インドの古代叙事詩「マハー・バーラタ」に登場し、その伝説で、太陽神スリヤと人間の女性との間に生まれた男児カルナの額についていたのがこのダイヤモンドだったとされています。後にこのダイヤモンドは王宮に持ち込まれ、ヒンドゥー教のシヴァ神像の第三の眼に相当する位置に埋め込まれた、ということです。

伝説とは別に、史実として始めて「コ・イ・ヌール」が登場するのは、ムガル帝国の皇帝バーブルが1526年に書いた「バーブル・ナーマ」の記述です。「コ・イ・ヌール」は皇帝バーブルが戦利品として手に入れたということになっています。
その後、1739年にペルシャがインドを制圧した際、ムガル帝国の王のターバンに隠されていた「コ・イ・ヌール」をペルシャの王が奪ったのだそうです。ペルシャ王はその輝きを見て思わず「コ・イ・ヌール(光の山)!」と叫んだと言います。
1849年には、イギリスがインドを支配下に置きます。「コ・イ・ヌール」は、東インド会社を経て1850年にイギリスのビクトリア女王に献上されました。その翌年1851年に、ロンドンで開催された第1回万国博覧会に「コ・イ・ヌール」は出品されます。万博の目玉として期待された「コ・イ・ヌール」でしたが、インド式にカットされたその石は、輝きが少なく、人々を失望させる結果となりました。
そこでビクトリア女王は、「コ・イ・ヌール」をブリリアントカットに再カットします。このカットにより「コ・イ・ヌール」は現在の108.93カラットになりました。

ところで「コ・イ・ヌール」には、男性が所有すると不幸が起こるという伝説もあります。そのことからイギリスでは、代々女性のみが「コ・イ・ヌール」を着用することとなり、今ではエリザベス皇太后の王冠に収まっているというわけです。

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