3本のスプーンと交換された86カラットのダイヤモンド

オスマントルコの宝物が集められているトルコ・イスタンブールのトプカプ宮殿博物館に、世界的に有名なダイヤモンドが展示されています。
「スプーンのダイヤモンド」と呼ばれている86カラットのペアシェイプダイヤモンドがそれです。
「スプーンのダイヤモンド」の周囲には49個の小粒なダイヤモンドが散りばめられています。これが、トプカピ宮殿博物館では最も高価な展示物なのだそうです。
漁師が拾ったダイヤモンド
「スプーンのダイヤモンド」とは変った名前ですが、これには伝説があります。イスタンブールの漁師が海岸で光る石を拾います。数日後、漁師は町の宝石商にこの石を見せに行くのですが、宝石商には「これはガラス玉」と言われてしまいます。
宝石商は「せっかく来たのだからスプーンと交換してあげよう」ということで、漁師は光る石と引き換えに3本のスプーンを手にしたのだと言われています。この石が「スプーンのダイヤモンド」だったというわけです。
さて「スプーンのダイヤモンド」は、1774年にフランスの高官であったピゴがインドで購入しました。その後、ナポレオン1世の母親がこれを手に入れ、トルコの知事に売却します。それをトルコ政府が買い取り、「スプーンのダイヤモンド」はイスタンブールに戻ってきたというわけです。