ダイヤモンドの主要な生産国とその変化

現在、世界でダイヤモンドはどれくらい生産されているのか、また生産できる国の数は、限られた少ない国でしかないこと、そして、主要な生産国は時代とともに大きく変化していることをご存じでしょうか。
ダイヤモンドと金の年間生産量
ダイヤモンドの年間の生産量のデータは、2011年度で、1億3500万カラット(27トン)です。同じ年度の金の年間生産量と比較してみると、金は2660トンです。ダイヤモンドの生産量の少ないことが良く分かります。
ダイヤモンドと金の産出国数
2011年度でダイヤモンドの総生産量の約84%は、わずか6カ国で生産されています。一方、金の場合、総生産量の約84%は、21カ国で生産されています。ダイヤモンドと金の産出国数を比べると、ダイヤモンドは狭い範囲に集中して埋蔵していることが分かります。
ダイヤモンドの現在の主要な生産国
2011年度のダイヤモンドの生産量上位6カ国は、ロシア25%(ヨーロッパ)、ボツワナ24%(アフリカ)、コンゴ共和国14%(アフリカ)、カナダ8%(北米)、アンゴラ7%(アフリカ)、ジンバブエ7%(アフリカ)の順となります。しかし、時代をさかのぼると主要な生産国は大きく変化しています。
ダイヤモンドの主要な生産国の変化
最初のダイヤモンドは、紀元前の時代にインドで発見されます。その後、1725年のブラジルでダイヤモンドの鉱床が発見されるまで、ダイヤモンドは、インドでしか採掘されないと考えられていました。そのためダイヤモンドは「インド石」とも呼ばれていました。
ダイヤモンドの採掘方法は初期の時代、砂金の採取のように地表に出てきているものをすくって選別する方法しかありませんでした。その後、技術が進歩して、地下にあるダイヤモンド鉱脈を掘削して採取できるようになります。インドでのダイヤモンドが採掘によって、枯渇するころ、ブラジルで新しいダイヤモンド鉱脈が発見され、主要な産地は、インドからブラジルに移ります。
しかし、ブラジルでダイヤモンドが発見されてから、1世紀後にアフリカ大陸の各国(皆フリカ共和国、ボツワナ、アンゴラ、コンゴ、シエラレオネなど)で採掘できるようになります。
さらに、その後、ロシアでも大きな埋蔵量のダイヤモンド鉱脈が発見されます。ロシアのシベリアで発見されたダイヤモンド鉱脈の1つは、もともとあったダイヤモンド鉱脈に数千年前に巨大な隕石が衝突して、その時に生じた高圧・高温でできたもので、その埋蔵量は、数兆カラットと推測され、この鉱脈だけで数千年にわたる全世界のダイヤモンドの需要をまかなえると言われるほどの大鉱脈です。また、隕石の衝突でできたダイヤモンドは、硬度や大きさが従来のダイヤモンドより優れ、価値が高いと言われています。今後、ロシアの生産量は世界一を続けることになるでしょう。ただし、ダイヤモンドの価値を維持するため、一気に大量の採掘はされないと考えられています。