ダイヤモンドの輝きを左右するカット技術とその評価

ダイヤモンドの美しい輝きに最も大きな影響を与えるのがカットです。
ダイヤモンドに当たった光は、表面で反射するものと内部に進むものとに分かれます。
反射する光は表面のカットの質によって強く鋭くなります。
ダイヤモンド内部に入る光は、屈折します。ダイヤモンドは光の屈折率が高い物質で、ダイヤモンドに入った光は折れ曲がって違う方向に進みはじめるのです。その光はさらに内部対面のカット面で反射します。屈折と反射が繰り返されるのです。
ダイヤモンドに当たった光は、このように反射と屈折によって様々な方向に進むため、美しい輝きを放つわけです。
この反射と屈折を大きく左右するのがカット技術です。
カットには実に多くの種類があります。代表的に、ラウンドブリリアントカット、ハートシェイプ、ペアシェイプ、オーバルカットなどがあります。この中で最もポピュラーなものが、 ラウンドブリリアントカットと呼ばれるカットです。
ラウンドブリリアントカットは、ダイヤモンドを58面体にカットするカット法で、ダイヤモンドの輝きを最大限に引き出すように、反射と屈折が綿密に計算されています。
ダイヤモンドの品質を評価する国際基準「4C」で評価対象になるカットは、ラウンドブリリアントカットだけです。
評価項目は、総合的なカットグレードである「プロポーション」と、仕上げの質である「フィニッシュ」を評価します。このうち「フィニッシュ」については、さらに「ポリッシュ(研磨)」と「シンメトリー(対称性)」とに分けて評価をします。
それぞれのグレードは、評価の高い順から、「EXCELLENT(エクセレント)」、「VERY GOOD(ベリーグッド)」、「GOOD(グッド)」、「FAIR(フェア)」、「POOR(プア)」の5段階です。
現在は、このうち「GOOD」の評価の幅が狭くなっている傾向にあり、以前には「GOOD」と評価されたダイヤモンドが、今では「FAIR」の評価になることもあるようです。
「プロポーション」、「ポリッシュ」、「シンメトリー」の3つの項目がともに最高評価の「EXCELLENT」に評価されたダイヤモンドを、特に「トリプルエクセレント(3Excellent)」と呼んでいます。「3EX」などと表示されることが多いようです。
「トリプルエクセレント(3Excellent)」は、極めて正確で質の高いカットが施されている、希少性が高いダイヤモンドということになります。