宝石の王様 ダイヤモンド

ダイヤモンドは宝石の王様といわれています。現在ではその言葉を疑う人はいないでしょうが、過去の歴史の中ではダイヤモンドの価値はそれほど高くない時代がありました。
ダイヤモンドの価値とは?
宝石の価値には、1.美しさ 2.耐久性 3.希少性 があげられます。
ダイヤモンドは多くの人がご存知のように、天然ではもっとも硬い物質です。また、採掘に費用がかかるため高価なことから、希少性が高いとされています。美しさは現在では誰もが認めるところですが、古代はそれほどの輝きを発揮していませんでした。それは加工技術が発達していなかったからです。
そのため、古代ではダイヤモンドはあまり評価されず、エメラルドが人気を集めていました。
ダイヤモンドの加工が発達したのは、中世のヨーロッパです。フランス王室をはじめ各国の王室は、大きなダイヤモンドを買い求めました。
ダイヤモンドのカット法
ダイヤモンドの輝きを左右するのは、そのカット法です。15世紀にはすでに、上の面がフラットなテーブル・カットやローゼンツ・カットが開発されていました。さらに16世紀にはローズ・カットが考案されました。ルイ14世の時代になると、宮廷で夜会が開かれ、より輝きのあるカットが求められました。そこでカット面の多いブリリアント・カットが生まれます。当初はマザラン・カットと呼ばれ、17世紀になってようやく58面体のブリリアント・カットが完成します。
ダイヤモンドのカットはさらに改良を重ね、外形が円になっていきます。そうして現在のラウンド・ブリリアン・カットが完成しました。最近では多彩なカット法が増えています。ファンシー・シェーブと呼ばれるカットで、ハートの形をしたハートシェープ、プリンセス・シェーブなどがあり、選ぶ人の目を楽しませています。
ダイヤモンドの4C
ダイヤモンドの品質は、カットだけでは決まりません。カラー(色)、クラリティ(透明度)、カラット(大きさ)、そしてカットの4つのCで決まります。カラーに関してはダイヤモンドは透明だと思っている人が多いようですが、実際は薄い色をしているものがあります。完全な無色透明のダイヤモンドは少ないため、価値が高くなります。
また、クラリティは傷がないかどうか、欠けがないかどうか、そして内包物の大きさなどで判断します。内包物が多いと透明度が下がってしまいます。カラットは重さを表す単位です。1カラットは0.2グラムですが、大きくなるほど重さがあるため、価値が高くなります。大きな原石は希少な上に、カットするとさらに小さくなるので大きいダイヤモンドほど評価は高くなります。