最先端技術が生み出すダイヤモンドの輝き

ダイヤモンドをきれいに仕上げるレーザー処理
ダイヤモンドをよりきれいに仕上げるために、レーザー処理が施されることがあります。 ダイヤモンドは地球の奥深くから地上に出てきます。その間、何百年、何千年とかかりますが、その過程で内包物という不純物が入り込むことがありますし、強い圧力や高熱によって細かい亀裂ができることもあります。
内包物の中でも特にカーボンと呼ばれる黒い点は外から見てもわかるため、取り除く必要があります。硬いダイヤモンドの中の黒い点をどうやって取り除くのだろうかと思いますよね。実はレーザーで穴を開けます。この方法をレーザードリルホール(LDH)と呼びます。穴と言ってもとても小さいものなので、肉眼で見てもわからないほどです。その穴に酸を注入して黒い点を漂白するのです。また、内部の結晶を焼却して除去することもあります。
この処理で見た目はきれいになりますが、それで価値が上がるかというとそういうわけではないようです。いわゆる「処理石」として鑑定書に記載されます。
近年レーザードリル処理は進化していて、従来のような穴を開けずに処理をする方法が開発されています。ダイヤモンドの表面近くにある内包物にパルスレーザーを当てて熱を加え、わずかにできる割れ目から漂白するという方法です。今後も新たな方法が生まれるかも知れませんね。
世界で特許を取っている新しいカット法
さて、ダイヤモンドの4Cと言えば、カット、カラット、クラリティ、カラーの頭文字です。カットの定番は今まではブリリアントカットで、その中でもエクセレント(EX)が最高だといわれてきました。
しかし、最近はこのエクセレントよりもさらに輝きが強いカット法が日本の企業によって開発されました。エクセレントカットを超えるカット法ということで、オーバーエクセレント(OE)カットと呼ばれています。
OEカットを施したダイヤモンドとトリプルエクセレントダイヤモンド(エクセレントカットの中でも最上級)にレーザー光線を当てたところ、トリプルエクセレントダイヤモンドの光の反射点は230点でしたが、OEカットダイヤモンドは430点もありました。レーザー光線を当てるまでもなく、見た目にもその輝きはまばゆく、見る人を圧倒させます。
このオーバーエクセレントカットは、日本での特許(第3643541号)をはじめ、米国、EUなど世界28ヶ国で特許を取得しています。このカット法は3次元の光学設計技術や人間工学などを駆使して、理想的な輝きを追求して生まれたものです。日本でも取り扱いを始めた宝石店があるので、ぜひ一度、チェックしてみてください。ダイヤモンドの長い歴史の中でも、最高級の輝きを手にできますよ。