紛争ダイヤモンドの流通を排除するキンバリープロセス
紛争ダイヤモンドの流通を排除するための国際協定があります。「キンバリープロセス認証制度」とよばれるもので、2002年に正式に採択され、2003年から実施されています。
紛争ダイヤモンドとキンバリープロセス
紛争ダイヤモンドとは、アフリカなどで内戦状態にある国の反政府組織が、武器購入等の資金源として非合法に採掘したダイヤモンドのことです。反政府組織はダイヤモンド鉱山を武力占拠し、地元住民を酷使するなどしてダイヤモンド原石を採掘し、それをダイヤモンド市場に売却していました。
紛争ダイヤモンドは反政府組織の資金源となり、内戦を長期化させる要因のひとつということで、問題視され、2000年にダイヤモンド業界と関係国政府などがその解決策を探るべく会合を開きました。この場で決議されたのが「キンバリープロセス」です。「キンバリープロセス」は、2002年に国連に承認され、正式な国際ルールとなりました。
紛争ダイヤモンドの不正取引を防止する活動
キンバリープロセスに参加する国は、キンバリープロセスに非参加の国で産出されたダイヤモンドは輸出入しません。紛争ダイヤモンドを取り引きした者は、世界の全てのダイヤモンド取引所から排除されます。さらに、紛争ダイヤモンドの輸出入をした者を処罰する法の整備を参加国は行います。
また、ダイヤモンド生産者、生産国、国連などが連携して「ワールド・ダイヤモンド・カウンシル」という組織をつくり、紛争ダイヤモンドの不正取引を防止する活動を行っています。
厳格な管理体制で紛争ダイヤモンド撲滅を
さて、「キンバリープロセス」では、ダイヤモンド原石とその取り引きについて様々な規制が設けられています。
生産国などから輸出されるダイヤモンドの原石は、不正開封ができない容器に詰め込むよう定められています。さらにその原石が、紛争ダイヤモンドではないことを証明した「キンバリー・プロセス証明書」が政府から発行され添付されます。偽造することが不可能な「キンバリー・プロセス証明書」には、厳格な管理で発行された通し番号や、出荷物情報などが記載されます。
▼「キンバリープロセス」には、2013年11月現在で以下の国が参加しています。
アンゴラ、アルメニア、オーストラリア、バングラデシュ、ベラルーシ、ボツワナ、ブラジル、カンボジア、カメルーン、カナダ、中央アフリカ共和国、中華人民共和国、台湾、コンゴ民主共和国、コートジボアール、クロアチア、欧州共同体、ガーナ、ギニア、ガイアナ、インド、インドネシア、イスラエル、日本、カザフスタン、大韓民国、ラオス、レバノン、レソト、リベリア、マレーシア,マリ、モーリシャス、メキシコ、ナミビア、ニュージーランド、ノルウェー、パナマ、コンゴ共和国、ロシア、シエラレオネ、シンガポール、南アフリカ共和国、スリランカ、スワジランド、スイス、タンザニア、タイ、トーゴ、トルコ、ウクライナ、アラブ首長国連邦、アメリカ合衆国、ベネズエラ、ベトナム、ジンバブエ