高い評価を受ける神秘の石「ブルーダイヤモンド」

ダイヤモンドは一般に、無色透明の度合いが高いほど価値が高くなり、高価になります。
しかし、ファンシーカラーダイヤモンドと呼ばれる天然色のダイヤモンドの中には、同品質の無色透明のダイヤモンドより高い評価がつくこともあります。中でもブルーダイヤモンドは非常に希少性が高く、色合いの鮮やかなものはとても高い価格がつくことで知られています。
2008年には、3.73カラットのブルーダイヤモンドの指輪がなんと8億円を超える価格で落札され、世間を驚かせました。
大粒のダイヤモンドが採掘されることで有名な南アフリカのカリナン鉱山で、ペトラ・ダイヤモンド社が年間2~3トンのダイヤモンド原石を採掘しますが、ブルーダイヤモンドは、その中に1粒か2粒しか含まれていないそうです。
ブルーダイヤモンドはそれだけ希少性が高いのです。
このように、大粒のブルーダイヤモンドには数億円の値がつけられますが、0.5カラット程度のものであれば、数百万円で手に入れることができます。
それでも数百万円。希少性と人気の高さをうかがい知ることができます。
世界で最も有名なブルーダイヤモンドのひとつに、「ホープダイヤモンド」と呼ばれる石があります。現在は、アメリカのスミソニアン博物館に所蔵されている45.50カラットのブルーダイヤモンドです。
19世紀初頭にインド南部で掘り出された「ホープダイヤモンド」は今、周囲に16個、鎖に45個のダイヤモンドをはめ込んだプラチナ製ペンダントの中央に収まっています。
さて、「ホープダイヤモンド」が世界的に有名な理由は、そのミステリアスなエピソードにあります。所有者を悲劇の死に追いやりながら、転々と持ち主を変えていく「呪いの宝石」だといわれているのです。しかし、実はこの伝説は大幅に脚色されているのだそうです。
大ヒットした映画「タイタニック」に登場するブルーダイヤモンドは、この「ホープダイヤモンド」をモデルにしたものといわれています。
ところで、ブルーダイヤモンドが地球内部で生成された仕組みは、残念ながら今のところ解明されていません。
ブルーダイヤモンドの青い色は、ダイヤモンド内部に不純物として含まれるホウ素が原因であることはわかっています。
ところが、ダイヤモンドが生成される地球の地下深くにはホウ素はほとんど存在しないのです。一体ホウ素はどのようにしてダイヤモンド内部に混入したのか?
ブルーダイヤモンドは、こうした神秘性も兼ね備えたファンシーカラーダイヤモンドです。