カラフルなカラーのダイヤモンド
ダイヤモンドは無色透明と思われがちですが、実際はさまざまな色がついています。ダイヤモンドに色がつくのは、ダイヤモンドの鉱石が地下深く眠っているときに、マントル中の異種原子がダイヤモンドの結晶をつくる過程で取り込まれることで起こります。その割合は100万個の炭素原子に対して数十個から数千個というレベルで、大変少ないものなのです。
ダイヤモンドの色とは?
ダイヤモンドの色は、このように結晶に含まれる異種原子の割合やほかの組織との組み合わせで決まるため、ひとつとして同じ色は存在しません。
カラーダイヤモンドの色を決める要素は、ダイヤモンドの結晶に含まれる原子の種類に左右されます。ピンクダイヤモンドは、ダイヤモンドの結晶の格子の中に窒素原子が入ることで発生します。ブルーダイヤモンドは炭素原子にごく少量のホウ素原子が入ることで生まれます。
グリーンダイヤモンドは結晶の格子の中に窒素原子が入り、取り込んだ2つの窒素原子にはさまれることで炭素原子が欠けると生まれます。一方、ブラックダイヤモンドはこういった元素による作用でできるのではなく、元々の鉱石にグラファイトや鉄鉱石などの内包物が入り込むことで誕生します。
ファンシー・カラー・ダイヤモンドの輝き
さて、カラーダイヤモンドには、ファンシー・カラー・ダイヤモンドとトリートメント・カラー・ダイヤモンドがあります。ファンシー・カラー・ダイヤモンドはナチュラルダイヤモンドとも呼ばれ、ダイヤモンドのカラーが天然成分に由来するものを指します。
一方のトリートメント・カラー・ダイヤモンドは、人工的に色をつけたものです。ダイヤモンドそのものは天然の石を使いますが、放射線を当てたり、分子構造を変えたりして色をつけていきます。高温や高圧をかけることで色を作る方法もあります。今後は科学の進歩で、さらにさまざまな色のダイヤモンドが誕生しそうですね。
ところで天然のファンシー・カラー・ダイヤモンドはどこで採れるのでしょうか?ピンク・ダイヤモンドはオーストラリアのアーガイルで多く採れます。ほかにも、ロシア、ブラジル、インド、ザイール、タンザニアなどからもカラー・ダイヤモンドが産出しています。ちなみにピンクダイヤモンドの産出は全ダイヤモンドの0.01%程度といわれて、いかに希少なものかがわかります。
ファンシー・カラー・ダイヤモンドを選ぶ際には、カラーの深みや強度などを参考にします。鑑定書には、それぞれの色の特徴が記されています。同じピンクでも、色の濃い順に「ファンシービビッド」「ファンシーインテンス」「ファンシーディープ」「ファンシーダーク」「ファンシーライト」などの接頭辞が記載されているので、実物を見ながら参考にするといいでしょう。