ダイヤモンドの鑑定書とその平準化を果たした「GIA」とは?
GIA(アメリカ宝石学協会)の随一の国際基準の鑑定書は、世界中のダイヤモンドの専門家などから信頼されています。 その理由をご紹介していきます。
なぜ世界がGIAに厚い信頼を寄せるのか
GIAは、世界最大で最も広く認められている非営利の宝石学の研究機関で、宝石の科学的権威として長年の実績を誇っています。ダイヤモンドの品質評価における国際基準となっている「4C」や、「国際ダイヤモンドグレーディングシステム」を開発したことでも知られています。
GIAの発行する鑑定書
GIAが発行するダイヤモンドの鑑定書では、クラリティ(透明度)、カラー(色合い)、カット(研磨)、重量(カラット)といういわゆる4Cのほかに、 プロポーション(カット形状)、フィニッシュ(仕上がり)といった情報が記載されています。また、様々な加工処理の有無についての鑑定結果も記載されています。
「4C」や、「国際ダイヤモンドグレーディングシステム」が生み出される以前は、ダイヤモンドの品質についての表現は多様でした。
特にカットについては、「国際ダイヤモンドグレーディングシステム」が開発される以前は、海外の鑑定機関では品質評価の対象にされていませんでした。カットには無限の組み合わせが存在するため、どのようなバランスが最適かが不明確というのが原因でした。
GIAは、2006年に「国際ダイヤモンドグレーディングシステム」を開発したことでこの課題を解決し、ダイヤモンドのカットについて、国際基準となる評価項目を確立しました。
ダイヤモンドのカットの中で最もポピュラーなラウンドブリリアントカットの組み合わせを約3850万通りに分類し、
データベース化。鑑定対象のダイヤモンドのカットデータをコンピューターに入力すると、その評価が返ってくる、というのが「国際ダイヤモンドグレーディングシステム」です。
その信頼は日本でも
今では、日本の鑑定機関でも採用されていて、「国際ダイヤモンドグレーディングシステム」によって評価されたダイヤモンドの鑑定書には、「GIAグレーディング システムに準拠」との記載がされるようになりました。
また、カラーグレードの平準化も行われています。
日本でもAGL(宝石団体協議会)がGIAの協力を得て、カラーマスターストーン(基準石)の原器を準備、1996年から、通し番号の入ったマスターストーンを用いてカラーグレードの統一を行っています。これは「JJA/AGL認定マスターストーン」と呼ばれていて、AGLに所属している鑑定機関の発行する鑑定書には、マスターストーンの通し番号が記載されるようになりました。