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レーザードリルホール(LDH)の処理をされたダイヤモンド

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ダイヤモンドの鑑定書に「レーザードリルホール(LDH)を認む」という記載がされていることがあります。 実はこの記載、ダイヤモンドの価格に影響してきます。 「レーザードリルホール(LDH)」とは、レーザーを用いてダイヤモンドに開けた極小の穴のことです。

なぜ、レーザードリルホールを開けるのか

天然のダイヤモンドには、インクルージョンと呼ばれる不純物(内包物)が存在することが多いものです。肉眼で確認できるようなインクルージョンがダイヤモンドの内部に存在する場合は、もちろんダイヤモンドの美しさに影響がでます。そして当然のことながら、価値の評価は低くなります。 その中でも特に”カーボン”という、多くのダイヤモンドに見られる黒点は、無色透明のダイヤモンドでは、とても目立ってしまうのです。

こうしたインクルージョンを目立たなくするために開けられた穴が、 レーザードリルホール。 ダイヤモンドの表面にレーザーを当てて、インクルージョンまでの穴を開け、その穴に強力な酸を流し込むことで、インクルージョンを漂白するのです。インクルージョンを完全に消す訳ではないので、全く見えなくなるということではありませんが、黒いものが白くなるので、だいぶ目立たなくなります。 肉眼でレーザードリルホール確認することはほぼ不可能ですが、ルーペでじっくり見ると判ります。

目立つインクルージョンのあったダイヤモンドは、この処理によって美しくなるのですが、残念ながら評価は下がります。 人の手によって加工された「処理石」という扱いになり、全くの天然で人の手が加わっていないダイヤモンドと比較すると、買い取りや再販の時点で大きな価格差が生じてしまいます。

レーザードリルホールは、ダイヤモンドの美しさを取り戻すためのもの

ただし、レーザードリルホールは「悪いもの」というわけではありません。 この処理を施していなければ、そのダイヤモンドには肉眼で判別できる目立ったインクルージョンがあったわけで、インクルージョンを目視できないダイヤモンドと比べると、元々、価値の低い石だったのです。そうした石が美しく見えるようになったのですから、むしろ良かったのではないでしょうか。

例えば、ダイヤモンドがメインのペンダントやピアスの場合は、いくら品質の高いダイヤモンドでも、小粒なものはしっくりきません。品質は高くなくてもある程度の大きさのダイヤモンドのほうが似合うことが多いのです。そのような用途には、レーザードリルホールのダイヤモンドは安価で向いている場合もあるのです。

ちなみに欧米では、レーザードリルホールの処理は一般的に行われていて広く流通しているのですが、日本ではあまり流通していません。

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