ダイヤモンドの品質や真贋を手軽にチェックする4つの方法

ダイヤモンドの品質は鑑定書があればすぐに分かります。しかし、鑑定書を紛失しまった場合や、鑑定書が付属していないような場合もあります。
鑑定書がない場合には、ダイヤモンド業界の人でない限り、それが本物のダイヤモンドなのかを見極めることもできないでしょう。
天然のダイヤモンドだと思い込んでいても、それは合成ダイヤモンドであったり、ガラスやプラスチックでできたイミテーションダイヤであったりすることがあります。
現代はダイヤモンドを模造する技術も高い水準にあって、ひと目見た程度では判断のつかない精巧なものも出回っているのです。そうしたダイヤモンドの品質や真贋は、鑑定を行っている業者などに依頼をすれば鑑定書を作成してもらえますが、そこまでしたくないという場合には、ある程度の判断を自分でする方法もあります。
1. エッジ(角)の磨耗をルーペで確認する
ダイヤモンドは天然の物質としては最も固い物質とされています。ですから、エッジ(角)が磨耗してしまうことはありません。ダイヤモンドのエッジは常に鋭敏です。一方で、模造品の場合は、エッジが磨耗して丸まっていることがあります。 エッジの磨耗は、ルーペでよく観察することで判断することができます。
2. 表面の傷や内包物(インクルージョン)をルーペで確認する
ダイヤモンドの品質を決める要因のひとつに、インクルージョンと呼ばれる石の中に存在する微小な内包物や、表面の傷があります。これは、鑑定書の中では「クラリティ(透明度)」という項目で示されていて、ダイヤモンドの品質を決める国際評価基準である「4C」の項目のひとつです。天然のダイヤモンドであれば、もちろん、無傷でインクルージョンの無いものが価値が高くなります。
さて、10倍のルーペを用意して、ダイヤモンドをよく観察してみます。もし小さな傷もインクルージョンも発見できなければ、その石のクラリティ(透明度)は最高ランクの「FL」である可能性がでてきます。
逆に肉眼でも視認できる傷やインクルージョンがある場合のクラリティは、最も低いランクの「I」ということになります。
ところが、気をつけなければならない点があります。
もし、10倍のルーペで観察しても傷やインクルージョンが発見できない場合には、それは模造品の可能性もあるということです。例えばイミテーションダイヤとしてよく利用されているキュービックジルコニアには、傷やインクルージョンが完璧にないものが存在します。
3. 冷凍庫で冷やしてみる
ダイヤモンドの熱伝導率の高さはずば抜けています。熱伝導率とは、物質内への熱の伝わりやすさのことですが、この特性を利用して、ダイヤモンドと類似石を見分けられる場合もあります。
まずダイヤモンドを冷蔵庫内で5分程度冷やします。これを取り出すと、石の表面には水蒸気が付着して曇るはずです。
もしその石が本物のダイヤモンドであった場合には、この曇りはあっという間に消えます。外気の熱がダイヤモンドの内部まですぐにいきわたるためです。
一方で、ガラスやプラスチックのような素材でできた模造品の場合には、曇りが消えるまでに少々時間を要します。
同様の理屈で、石に息を吹きかけてみるという方法もあります。
本物のダイヤモンドであれば、簡単には曇りません。もし、簡単に曇りがついてしまうのであれば、それはおそらくイミテーション、模造品ということになります。
4. 新聞紙の上に石を置いてみる
ダイヤモンドの高い屈折率を利用して真贋を判断する方法です。屈折率とは、物質の中を光が通過する際の光の曲がり方です。 ルース(裸石)でなければできない方法ですが、石の上部(尖っていないほう)を下向きにして新聞紙の上に置いてみます。もし、石の上から新聞紙の文字が読めるようでしたら、それはイミテーション・模造品の可能性が高いということになります。