カットを楽しむならファンシーカットダイヤモンドがおすすめ
ファンシーカットの種類
ダイヤモンドはルース(裸石)を丸く(ラウンド形)にカットしたものが一般的で、これに58面体のカットを施したものをラウンドブリリアントカットといいます。このカット法がダイヤモンドの輝きを最大限に引き出す方法だということが計算上でもわかっているため、多くはこの形にカットされます。
しかし、他にも個性的なカット法があります。ラウンドブリリアントカット以外はファンシーカットと呼ばれています。その1つ1つをご紹介しましょう。
・オーバルカット……楕円形にカットしたものです。縦と横の比率の違いによって、見た目の印象が異なります。例えば縦に長い楕円形なら細長い印象になります。また縦と横の差が少ないと、ラウンドブリリアントカットに近い印象になります。
・ハートシェイプカット……その名の通りハートの形にカットしたものです。ハートの形はさまざまで、うまくハート型にできないと三角形のようになってしまいます。また、ハート型にカットできる原石が少ないため、貴重な石だといわれています。
・エメラルドカット……長方形にカットされたものです。四角い面があるため、ブリリアントカットのように多くの面はありません。それだけ輝きは少なく感じられます。
・ペアシェイプカット……洋ナシの形をしています。とがっている部分を上にするか、下にするかで見た目の印象が違ってきます。指輪以外にネックレスなどにも使われるデザインです。
・プリンセスカット……正方形のカットに細かいモザイクのカットが施されています。同じ四角でもエメラルドカットは四角い面が大きいのですが、こちらは四角い面が小さいので、それだけ輝きが強くなります。
・マーキースカット……舟形のカット法で、フランスのルイ15世がポンパドゥール夫人に公爵の称号を与えたことにちなんで命名されました。公爵は「マーキス」と呼ばれるからで、当時パリではこのカットが注目されていたことがきっかけだそうです。こちらもオーバルカット同様に縦と横の比率によって印象が異なります。
カットの違いで価値が変わる!?
ファンシーカットダイヤモンドは好みで選べばいいのですが、一般的にラウンドブリリアントカットより価格は安くなります。価値の比較は、ラウンドブリリアントカットを100とした場合、以下のようになります。
オーバルカット……45~47、ハートシェイプ……44~46、エメラルドカット……42~45、
ペアシェイプカット……50、プリンセスカット……42~44、マーキースカット……55~57
いかがでしょうか?ラウンドブリリアントカットの半分以下になることが多いようです。ただ、実際の店頭価格はこれより2割ほど高くなるといわれています。
低い予算でそれなりの大きな石を選ぼうとするなら、ファンシーカットダイヤモンドを選ぶといいでしょう。ただし、ファンシーカットダイヤモンドは流行に左右される可能性があります。流行っていたからとか、若いころに「これがかわいい」と思って購入しても、数年後には流行遅れだと感じることがあるので気をつけましょう。