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ダイヤモンド業界を支配し支える巨大企業デビアス社とは

ダイヤモンド 業界 デビアス社 セシル・ジョン・ローズ

ダイヤモンドが宝石のなかでも、一段と価値の高いものであるということは誰もが認める事実です。ダイヤモンドには、他の宝石にはない美しく輝く魅力があります。そのことから、ダイヤモンドが持つ価値のみで宝石の王様としての位置を保っていると一般的には考えられています。しかし、実際は、それだけではないということはあまり広く知られていません。そこには、1つの大企業存在があり、たった1つの大企業によって、ダイヤモンド業界が動かされていることをご存じでしょうか。その会社とは、一体どのような会社でしょうか。

ダイヤモンドと業界を支配するデビアス社とは

ダイヤモンド業界を動かして、ダイヤモンドの価値を最高に高いものにしている大企業はデビアス社といいます。ダイヤモンドは、もともとは一部の権力や貴族の権力の誇示や美への憧れを満たす程度の量しかなかった希少価値の宝石でした。しかし、大量のダイヤモンドが埋蔵されている鉱脈や採掘技術の進歩で、19世紀になると生産量は飛躍的に多くなりました。当然、何もコントロールされなければ、少しでもたくさん売りたいとする業者によって採掘量が増加し、需要が供給を上回るようになると、ダイヤモンドの価格は急激に下がることになります。

事実、インドやブラジルに次いで、アフリカ大陸の南アフリカ共和国で1867年に埋蔵量の多いダイヤモンド鉱脈が発見されて、飛躍的に生産量があがったことで、ダイヤモンドの原石の供給量が急激に増加、乱売が発生しダイヤモンド採掘業者の経営が厳しくなりました。

そこで、デビアス社が行ったのは、乱売を防止するために、ダイヤモンド鉱山一帯を買収、もし新しい鉱山が発見されても、そこから生産されるダイヤモンドを全て買い取る保証をするなどして、乱売にならないような仕組みを作り上げます。

ダイヤモンドの生産量の推移

紀元前にインドで発見された頃のダイヤモンドや1700年代に入って発見されたブラジルでのダイヤモンドの採掘は、人の手による採掘で、1870年でもせいぜい年間十万カラットの生産量でした。しかし、南アフリカでダイヤモンド鉱脈が発見されると、大規模な資本が入ることで、その約40年後には、600万カラットへと60倍に跳ね上がります。なお、2011年度は1億3500万カラットです。

このように生産量が急増ずるなかで、採掘業者の経営の厳しさ、それを放置することは、ダイヤモンド業界そのものが破綻することを見抜いた人物によって、デビアス社は多くの戦略を立案、ダイヤモンドの価格維持や販売を増やすなどの経営戦略を実施することになります。その結果、ダイヤモンドの販売量の増加、価値の維持は成功し、デビアス社のシェアは、80%から90%にも達する巨大・独占企業に発展します。

デビアス社によって、ダイヤモンドの価格は安定して高価であり、その価値は光り輝く美しさとともに永遠となり、これは購入したユーザーにもメリットをもたらしています。

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