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世界各地で異なるダイヤモンドの価値と思い

ダイヤモンド 婚約指輪 給料の3ヶ月分 節約志向

婚約指輪の歴史

「婚約指輪はダイヤモンド」と思い込んでいるのは、もしかしたら日本だけかも知れません。というのは、世界各地ではダイヤモンド以外の宝石を婚約指輪や結婚指輪を贈るところがあるからです。まず、婚約指輪の歴史を見ていきましょう。

元々指輪は、古代ローマ時代に商取引の証しとして交換するものでした。そこから結婚の約束を誓うものとして、指輪を贈る習慣が生まれたのです。当時の婚約指輪は鉄のリングというシンプルなものでした。2世紀になると金の指輪を交換するようになりますが、裕福な人だけに限られていました。婚約指輪にダイヤモンドを使うようになるのは15世紀に入ってからで、ダイヤモンドが婚約指輪に初めて登場するのは1477年という記録が残されています。

ただ、ヨーロッパの王侯貴族たちは、早くからダイヤモンドを装飾品として愛用してきました。中世ヨーロッパでは一部の貴族の頭飾りなどに使われています。しかし、当時のヨーロッパでは婚約指輪はサファイアやルビーが主流でした。やがて、1700年ごろにラウンドブリリアンカットが考案されて、その輝きのまばゆさから多くのファンが生まれることになります。19世紀の産業革命で一般の人の収入が増え、ダイヤモンドを手にする時代に入っていきます。特にひとつ石のダイヤモンドがついた指輪が流行しました。

国によって異なる婚約指輪の考え方

ヨーロッパでは、現在でもダイヤモンドを婚約指輪として贈る人はいますが、日本のように高額なものではないようです。一説によると、婚約指輪や結婚式に一般の庶民が多額の費用をかけるのは、日本とアメリカくらいだとか。ヨーロッパの若者は身の丈に合った宝石を贈るようです。

ヨーロッパでは母親や祖母から譲り受けた宝石を婚約指輪として贈る人もいます。ヨーロッパには「サムシングフォー」という言い伝えがあります。これは花嫁が、ひとつ何か新しいもの(サムシングニュー)、何かひとつ青いもの(サムシングブルー)、何かひとつ借りたもの(サムシングボロウ)、そして何かひとつ古いもの(サムシングオールド)を身につけると幸せになれるというものです。サムシングオールドとして花婿または自分の母や祖母から譲り受けた宝石をリフォームして指輪にして身につけるというケースがあるようです。イギリス王室のウイリアム王子に嫁いだキャサリン妃は、王子の母・ダイアナ妃のサファイアの婚約指輪を受け取りました。

また、ヨーロッパでは必ずしもダイヤモンドにはこだわらないようです。イギリスのアンドリュー王子がセーラ妃に贈ったのはビルマルビーでした。北欧のスウェーデンの伝統では、婚約指輪には石がついていない指輪を交換するそうです。ノルウェーではシンプルなゴールドの指輪、フランスでは花嫁の好きな石の指輪を贈る(しかも安価なもの)など、国によってさまざまですが、いずれも流行や宝石店・結婚式場がすすめるままに選ぶのではなく、しっかり自己主張している様子がうかがえます。 なお、中国ではひすいが宝石としての価値が高く、婚約指輪にもひすいが選ばれます。一方、インドは結婚の準備がとても豪華なことで知られています。ダイヤモンドだけでなく、ルビー、ゴールド、エメラルド、真珠の5種類を指輪、ネックレス、イヤリングのセットで贈るのだとか。男性はなかなかに大変そうですね。

日本もアメリカも婚約指輪は節約傾向

さて、少し前の日本とアメリカはダイヤモンドの婚約指輪に相当額を注ぎ込んでいました。これは「婚約指輪は給料の3ヶ月分を」という宝石会社のCMの戦略がヒットした影響があります。しかし、現実にはそこまで出せる人は少ないようで、最近の調査ではアメリカも日本も節約志向になってきたそうです。

USA-Todayに掲載されたデータによるとアメリカでは44%の人が約20万円程度(2500ドル)の指輪を購入しているそうです。一方、日本では結婚情報誌の会社が調査した結果、首都圏で婚約指輪にかける費用は約37万円なのだとか。こちらは2008年の調査なので、その後、もっと節約傾向は進んでいるかもしれません。

ところで日本の皇室の秋篠宮殿下と紀子様の婚約指輪は、殿下がお好きで研究対象にされている「なまず」をデザインしたものです。紀子様がジュエリー工房のデザイナーと一緒にデザインを考案されたそうです。これからは流行に左右されることなく、個性や主張があるものを選ぶのもいいですね。

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