エルメスのケリーバッグの誕生と歴史は？
現在、エルメスの代表的なバッグとして広く知られている「ケリー」。この「ケリー」は、登場当初は実はこのような名前はついていませんでした。
ケリーが登場した1936年当時、このバッグの呼び名は「サック・ア・クロア」でした。その後1955年ごろになって、モナコ王妃であるケリー皇女が、このバッグを使用していることが発覚しました。当時のエルメスの社長はこのことに目をつけ、「サック・ア・クロア」としてその機能美とフォルムの美しさが話題になっていたバッグを、「ケリー」という名前に改めました。
当時、妊娠をしていたケリー皇女が、パパラッチを避けて腹部をとっさにこのバッグで隠したことも相まって、このエピソードは広く知られるようになるのです。
その後長きに渡って、世界中の女性に親しまれることになるエルメスの「ケリー」は、このようにして今の形を得ていきました。
広く愛されるようになったケリーは、やがてエルメス以外のブランドからもこの形状のバッグが発表されるようになっています。「ケリーバッグ」と言えば、エルメス以外のブランドのものを持っている人も増えているのです。
エルメスのケリーバッグの人気の秘密は？
前述した通り、エルメスのケリーの大きな特長のひとつは、そのスタイリッシュなフォルムにあります。収納は決して少なくなく、機能美に溢れたといって差し支えない設計になってはいるのですが、あくまでその機能性を表に見せない、引き締まったラインと小ぶりな外見が、女性のファッション感覚を邪魔することなく存在してくれることに繋がっています。 その中でも更に、ケリーにはいくつかのサイズがあるのもメリットのひとつ。自分の希望によりしっかりフィットしたバッグを手にすることが出来るのです。
最も小さいものは、「ケリー15」と呼ばれる、横幅が15cmのタイプのもので、「ミニミニケリー」という別名もついています。そのサイズの小ささから絶対数が少なく、エルメスのファンやケリーそのもののファンが持つ愛好アイテムのような面が強くなっていますね。
そのひとつ上のサイズが「ケリー20」。こちらは「ミニケリー」という名前で呼ばれていますが、「ケリー15」ほどの小ぶり感はないので、お出かけなどにも利用しやすいタイプのバッグでしょう。カラーリングや素材などの選択肢も増えてきます。
その上にサイズが変わるにつれ、「ケリー25」「ケリー28」「ケリー32」「ケリー35」があります。あなたのお出かけスタイルやファッションに合わせて、自在に調整出来るのもエルメスの技術とデザインがあってこそのものでしょう。
エルメス・ケリーの二つの顔とは？
ケリーには、内縫いタイプのものと外縫いタイプの二つのものがあります。
バッグの生地を内側に縫い込んで、裁縫部分を隠す方法である「内縫い」と、その逆に裁縫部分を外側に見せるタイプの「外縫い」。
前者はカジュアルなシーンはもちろんのこと、フォーマルなシーンでも使えるバッグに。
後者であれば、すっきりとしたイメージを植え込みやすく、フォーマル面には更に特化していると言えます。特別なお出かけだけではなく、気合を入れたい日々のお仕事シーンにおいても、外縫いのケリーはぴったりであると言えるでしょう。
ケリーが持つ二つの魅力的な顔は、エルメスを輝かしい毎日に活かしていくことが出来るということを、しっかりと感じさせてくれるのでしょう。
