エルメスのスカーフ「カレ」、その美しい世界観が生まれるまで

エルメスの名作スカーフ「カレ」、その美しい世界観が生まれるまで

エルメスの名作スカーフ『カレ』とは。

エルメスの定番中の定番アイテムといえばスカーフ。
エルメスのスカーフの場合、“カレ”と呼びます。
“カレ”とはもともと、フランス語で正方形の意味ですが、
エルメスの場合は“カレ”=スカーフ。
エルメスのカレで特徴的なものの一つとしてサイズがあります。
カレの多くのサイズは90センチ四方とされています。
これは、最初のカレが発表された時に決められたサイズで、
エルメススカーフのおよそ70%がこのサイズです。
現在ではそれ以外にも70㎝、41㎝四方、ネクタイのように細いタイプなども展開されています。
そして、もう一つの特徴は鮮やかな色合い。
エルメスのカレ1枚に使われる色は2色から40色ほどにもなり、原画をもとに
熟練の職人の手によって配色、染色の調合され徹底的な品質管理と丁寧な仕事、最高品への飽くなき探求によって生み出されています。

エルメスの名作スカーフ『カレ』の歴史

エルメスのカレは1937年に誕生しました。
しなやかなシルク素材、多様な色彩に独創的なデザインは多くの人々を魅了し続け
今日に至るまで考案されたデザインは1500種以上にも。
多大な人気のデザインのカレに至っては配色を変えて何度も登場し、
バリエーション豊かに表情を変えて進化し続けています。

エルメス『カレ』名作スカーフが出来るまで

個性豊かな表現力のあるカレの世界は熟練した職人による手作業のたまもの。
それは、シルク産業の中心地であるリヨンのアトリエから始まります。
熟練された職人によって原画をもとに染料を調合され、染められていきます。
エルメスのカレは単なる印刷されて描かれているプリントではありません。
シルク布の一枚一枚を染めていきます。
色ごとに版を作る製版作業に染められ、描かれることでエルメスのカレが持つ物語のような世界観や美しさが生み出されます。
そのため、カレ1枚に使われているカラーが40色であれば40枚の製版が必要になり、こうした丁寧な作業をいくつもの段階を経て作られていることから
1枚のカレを完成させるまでに数百時間を要することも有ると言われています。
最後に四方の縁を縫うのも職人さんの手作業によるもの。
1枚の縁を縫いにも30分程度かかるそうです。
このように、気が遠くなるほどの工程と熟練の職人の丁寧な仕事によって
エルメスのカレが世に送り出されているのです。

スカーフとしても巻き方のバリエーション豊かでおしゃれの演出に重宝するカレですが
最近では額縁に入れて絵画として、インテリアや美術品としても人気があります。