エルメスの麗しい香りのアイテムたち

エルメスの香水は世界を作り出すアイテム

エルメスを代表する香水たちの世界

エルメスには、様々なモデルの香水が存在しているのを知っていますか?
女性向け香水としてロングランを記録した「イリス」をはじめとして、手にとったことがある人も多いのではないでしょうか? エルメスの香水の中でも特に有名なのが、「庭園シリーズ」と呼ばれる香水コレクションです。

エルメス本店、パリのフォーブル・サントノーレ店の屋上の庭園をイメージした香水「屋上の上の庭」も、このシリーズのひとつ。第四作目になります。男女ともに楽しめる香水で、トップノートはアップルと洋梨、バジルやグリーングラスなど、甘やかさを全面に押し出しています。その後、ミドルノートでマグノリアやローズが香りだし、トップノートの甘やかさから、大人っぽい柔らかさに変化していくのです。そして、ラストリートのオークモスやコンポストノートによって、爽やかな風のような優しい香りとなっていきます。移り変わる美しさと、感じ取れる気品は、エルメスというブランドそのものを象徴するような香りに仕上がっています。

この「庭園シリーズ」は、2008年発表の「モンスーンの庭」のような、インドの庭園をイメージしたものから、シリーズ第二弾のころから愛され続けている「ナイルの庭」のようなフルーティーなタイプのものなど、実は幅広く存在しています。それぞれイメージが違い、瓶もまたコレクションしたくなってしまうような繊細でデザイン性の高いものたちばかり。シーズンや気分によっても使い分けたいシリーズです。

2003年に発売された「地中海の庭」は、ユニセックスの香水として爆発的な人気を誇り、その後再販されたほど。トップノートのベルガモットやオレンジブロッサム、セイヨウキョウチクトウなどのグリーンの爽やかさが特徴的ではありますが、シトラスを使って柑橘系の甘酸っぱさを、ホワイトフローラルを使って柔らかでほっそりとした甘やかさを演出しており、一粒で何度もおいしい仕上がりとなっています。

「庭園シリーズ」は、このようにエルメスの香水シリーズの中では、とても人気が高く、愛され続けている香水シリーズなのです。

「テール・ド・エルメス」が背負うブランドの看板とは

2006年に発表された「テール・ド・エルメス」は、男性用のフレグランスです。 名前に「エルメス」の名前を頂いており、エルメス香水の中でも、特にネームの部分で大きな責任を追うことなったひとつです。

トップノートは、グレープフルーツやオレンジなどの柑橘系のさっぱりとした香り。
ミドルノートは、ゼラニウムやピンクペッパー、バチュリなどの辛味を発し、ラストノートはシダーウッドやペチパー、ペンゾインなどの落ち着きのある大人のウッディ系となっています。

全体的に爽やかで、重々しさや甘ったるさのない、まさに大人の男性のスマートさにぴったりな香水となっています。スパイシーさが全面に押し出されてはいますが、キツすぐないのもポイントのひとつでしょう。

「テール」はフランス語で「地球」や「大地」を表す言葉。エルメスの大地に根付く、深く美しい香りを演出した香水です。

エルメスが誇る一流の調香師たち

エルメスが世界に名を轟かせる香水を生み出すことができているのは、その職人の力が大きいのです。どのアイテムも同様ですが、香水もまた同じというわけです。
前述した人気シリーズ「庭園シリーズ」の香水を手がけたのは、ジャン・クロード・エレナさん。2007年の「モンスーンの庭」から始まった、エルメスのメガヒット香水市場において、欠かすことができない存在です。

本来の調香師としての腕前も抜きん出ており、ブルガリやヴァン・クリーフ&アーペルなどにおいて、名だたる有名香水を多数世の中に送り出しています。 エルメスというブランド名を冠した「テール・ド・エルメス」を生み出したのも、このジャン・クロード・エレナ氏です。エルメスのファッション業界としてのカラーを深く理解した上で、自由な発想力と確かな技術、経験、豊富な引き出しを駆使しています。

また、ジャン・クロード・エレナは、大の日本文化ファンとしても知られています。短歌や俳句をはじめとした日本文化から、エルメスの香水を生み出す着想も得ていることもあるとのこと。日本の慈愛に満ちた静謐な魅力が凝縮され、エルメスの名香水として、世界中に発表されているのです。