ロレックスのアンティーク時計は普段使いができるのか?

2016年8月9日

ロレックス アンティーク

クラシカルな雰囲気がたまらないロレックスのアンティーク時計。飾るだけではもったいなく、多くの方が普段使いが可能なのか、という点を気にされているかと思います。
結論から言えば、普段使いは十分可能で、定期的なメンテナンスにより半永久的に使用していくことができます。しかしながら、アンティーク時計というのは現行品よりも繊細であるため、多くの点に注意しなければいけません。
ここでは、ロレックスのアンティーク時計を末永く使用していくために気をつけなければいけないことを一挙にご紹介します。

性能を考慮しなければならない

アンティーク時計は現行品に比べて、防水性や耐磁性、耐衝撃性、耐候性が低いため、現行品と同様の扱い方をしてはすぐに故障してしまいます。

防水性
普段使いでは50Mも300Mもさほど変わりはありませんが、リュウズなど浸水の原因となる部品の構造や耐久性に違いがあるため、より容易に内部部品の劣化を招いてしまいます。直接水につけなくても汗や化粧品が内部部品の劣化を招くことが多々あるため、使用後は現行品よりも頻繁かつ入念に手入れ(拭き取り)をする必要があります。
耐磁性
耐磁性においては顕著で、現行品の多くは耐磁性が高く、パソコン・テレビ・冷蔵庫など磁気を発生する電化製品の影響はあまり受けません。しかしながら、アンティーク時計においては、耐磁性が低いため、より強く影響を受けてしまいます。日常生活において使用頻度が高いパソコンや携帯電話が発する磁気は微力でありながら、それでも影響を受け、一時的または半永久的(修理にて脱磁が必要)に時刻が狂ってしまうため、普段使いにおいて電化製品との接触を避けなければいけません。
耐衝撃性
ひとえに衝撃と言っても、振動による故障はまずあり得ません。ただし、落としたり壁にぶつけるといった衝撃に関しては現行品より弱く、容易に故障してしまいます。全てのアンティーク時計に該当するわけではなく、現行品でも強い衝撃により故障してしまうことは多々あるため、それほど心配する必要はありませんが、アンティーク時計はより壊れやすいということは頭に入れておいてください。
耐候性
耐候性とは、太陽光・風雨・温度変化などに対する性能のことで、主にダイヤルプレート(文字盤)に影響を受けます。耐候性が低いと退色しやすくなります。特に日本は四季折々で温度変化が激しい国ですので、他国と比べて耐候性は重要であると言えます。

手巻き時計は定期的に巻き上げる

手巻き時計の場合、ゼンマイを定期的に(毎日がベスト)巻け上げないと駆動力が落ち、テンプと呼ばれる時計の心臓部のパーツに力が伝わらなくなってしまいます。テンプが勢いよく振幅することで、摩擦・振動・重力などさまざまな外的要因の影響を受けにくく、時間に誤差が出にくくなります。ゆえに、使用頻度が毎日でなくても、定期的にゼンマイを巻いてあげる必要があります。
これは現行品にも言えることですが、内部部品の品質によっては現行品以上に時間のズレが生じやすいため、可能な限り毎日巻くようにしてください。

時間の誤差は大目にみるべし

時計の製造技術はここ十数年で飛躍的に向上し、1900年初期~中期にかけて製造された時計と現行品では、比べものにならないほどの精度差があります。それは古い時計であればあるほど精度が落ち、1日に5分・10分と誤差が出てしまうこともあります。
ムーブメントの種類や部品の消耗など、要因はさまざまですが、修理に出しても改善されないことが多々あるため、時間の誤差においては大目にみて、アンティーク時計の特徴として楽しむようにしましょう。

オーバーホールは少し早めに

上述のようにアンティーク時計は現行品よりも性能が落ちるため、浸水や衝撃などによって容易に故障してしまいます。また、精度においても誤差が生じやすいため、オーバーホールは3年~4年くらいを目安に実施しなければいけません。
現行品であれば、5年以上でも問題はありませんが、上記の通り故障や誤差が生じやすいため、長年愛用していくことを考えると3年~4年間隔で定期的にオーバーホールすることをお勧めします。

アンティーク時計は使用においてさまざまな留意点がありますが、毎日使用することももちろん可能です。現行品よりも繊細であることをしっかり理解し、高齢者を労わるよう、愛情を持って使用していってください。