ロレックス「エクスプローラー」の試行錯誤が生んだ幅広いバリエーション

2016年7月5日

ロレックス エクスプローラー プレシジョン ref.5500

エクスプローラーは、現在のスポーツタイプのデザインに行くつくまでに様々な試行錯誤を繰り返してきました。その試行錯誤のひとつが、ドレスウォッチの発売です。
現在のスポーツタイプのモデルとは似ても似つかない、ドレスタイプのエクスプローラーの誕生秘話などを今回ご紹介いたします。

エクスプローラーの幅広いバリエーション

今となってはロレックスの看板商品となっているエクスプローラーですが、発売当初は全く人気がありませんでした。その大きな理由となるのが堅牢さ。探検家用のプロフェッショナル時計であったため、今ではエクスプローラーの特徴である堅牢さが、ジュエリーウォッチがブームであった当時においては受け入れられなかったのです。それゆえロレックスは試行錯誤を経て現行モデルに繋がるスポーツタイプと、見た目と衣服とのバランスを考慮したドレスタイプを販売していました。
このように、発売当初は試行錯誤という一種の“ブレ”が存在していましたが、今となってはその“ブレ”がアンティークの価値を高めロレックスファンにとってはたまらないものとなっているのです。

“ブレ”がロレックスの躍進を導いた

多くのブランドが日常生活の1つのファッションアイテムとして腕時計を展開している中、ロレックスは時計業界の中でプロフェッショナルという専門的なニーズを満たす特異な存在でした。しかしながら世間はそう甘くなく、受け入れられるようになるまでには多大な時間を必要としたのです。ですが、この試行錯誤、つまり“ブレ”によりロレックスは世界に大きく羽ばたくブランドへと成長したのです。
いかに多くの実績をあげた信頼性の高い堅牢さを持ってしても、デザイン性が高くなければ売れ行きは伸びない。エクスプローラーの数々の試行錯誤は、時計のデザインに対するロレックス社の考え方を改めさせ、ロレックス社の発展を導いたのです。

エクスプローラーのスポーツタイプ

現行に繋がるスポーツタイプはデザインよりも視認性を重視した設計が施されています。
発売当時のスポールタイプは可もなく不可もなくといった、いわゆる普通のデザインでした。プロフェッショナルウォッチというコンセプトのもと作られたこともあり、このような普通のデザインを採用したものと思われますが、その堅牢さが邪魔をし当初は全く人気が出ませんでした。それゆえロレックスは試行錯誤の末、3,6,9のアラビアインデックスとベンツ針を採用するようになり、これ以降徐々にスポーツタイプの人気が出るようになったのです。

エクスプローラーのドレスタイプ

ドレスタイプはスポーツタイプの売れ行きが伸びなかったことで、デザインをより身近なものへと変更し発売されました。ホワイトダイアルにゴールドのインデックスや針が採用されたもの、ベゼルがゴールドのもの等、様々なバリエーションが取り揃えられていました。
プロフェッショナルウォッチであってデザイン性を重視したドレスウォッチは、その違和感のある配合(コンセプト)により、やはり思うように売り上げは伸びませんでした。それゆえ、スポーツタイプの人気が出るようになるとドレスウォッチは廃盤となりましたが、今となっては非常に特殊なモデルであるため、コレクターの間ではコンディションに関わらず高値で取引されています。