ロレックス時計の修理・オーバーホールが必要な場合の症例

2016年1月26日

時計修理イメージ

ロレックスの時計は頑強に作られているため、通常使用ではそれほど異常は発生しません。しかし、時計というのは精密機械であるため、経年使用により何かしらの異常が出てきます。
今回は、修理を必要とする10の症例について紹介しますので、該当症状がみられる場合には、できるだけ早く修理に出しましょう。

修理が必要となる10の例

時針・分針・秒針が動かない
針が動かない場合には、内部パーツの1つである歯車の欠けや潤滑油の劣化が主な原因です。クォーツの場合には電池切れが考えられます。歯車を交換する場合には1万円程度、潤滑油の劣化が原因であればオーバーホールが必要なため、3万円~5万円ほどの費用がかかります。
時間が遅れる・進む
わずかな誤差なら問題ありませんが、極端に時間が遅れたり進むという場合には、ゼンマイの異常、パーツ不良、潤滑油切れ、磁気の影響などさまざまな原因が考えられます。磁気抜きのみなら3,000円程度で済むものの、ゼンマイの異常や潤滑油切れの場合にはオーバーホールが必要です。なお、クォーツの場合は電池切れが多いものの、磁気の影響や潤滑油切れも考えられるため、状態によってはオーバーホールが必要となります。
リュウズが抜けた・折れた
手巻きに多いのが、リュウズを強く引きすぎることで抜けてしまうという症状です。この場合には2,000円程度ではめ込み修理が行われますが、折れた場合やネジ山がなめてしまってはめ込めない場合には、リュウズならびにチューブ(本体側の受けネジ部分)の交換が必要になります。純正品ではリュウズ・チューブともに10,000円程度の費用がかかり、さらにリュウズ部から浸水がみられる場合にはオーバーホールが必要となるため、費用がかさむことが多いのが実情です。
ゼンマイが巻けない
手巻きの時計はリュウズでゼンマイを巻くことで動力を確保していますが、ゼンマイを巻く時にギリギリと異音がしたり、上手く巻けないといった場合には、ゼンマイ切れが考えられます。ゼンマイが切れてしまうとオーバーホールが必要となるため、それなりの費用がかかります。また、ゼンマイが切れた状態でリュウズを無理に回すと他のパーツの破損に繋がるため、状態次第では破損パーツの交換が必要になります。
内部からカタカタ音がする
これは内部パーツやネジの脱落が主な原因です。外部からの衝撃やパーツ同士の摩擦などによって起こりますが、この状態のまま使い続けると、他のパーツやムーブメントを破損させる恐れがあるため、早急に修理してもらいましょう。ネジ交換のみの場合は7,000円程度で済みますが、状態次第ではオーバーホールや破損パーツの交換が必要です。
風防ガラスが破損した
ロレックスの現行モデルにはサファイアクリスタルと呼ばれる硬度の高い風防ガラスが使用されていますが、時として破損してしまうことがあります。ガラス素材であるため、軽いヒビや浅い傷でも交換する必要があります。交換費用は純正ガラスが35,000円、社外ガラスが10,000円ほどです。なお、プラスチック風防の場合は、軽いヒビや浅い傷であれば研磨によって修復可能で5,000円程度で済みます。
風防ガラスが曇っている
風防ガラスの内側が曇っている場合には、パッキンの劣化やリュウズの歪み・破損による浸水が原因です。そのままの状態にしておくとムーブメントが腐食するなど、使用不可の状態になってしまう恐れがあるため早急な修理が必要です。なお、パッキン交換3,000円、リュウズ交換13,000円ほどですが、浸水しているためオーバーホールが必須です。
ケースに傷がついた
細かな傷であれば研磨によって修復することができます。費用は10,000円程度で、ブレスレットも研磨してもらう場合には15,000円ほどです。なお、深いキズの場合には研磨によって完全に修復することができないため、交換が必要になり、費用は10万~20万円と非常に高額です。
ベゼルが破損した・傷がついた
ベゼルの破損や深い傷は交換する必要があります。モデルや年式によって異なりますが、現行品の場合は35,000円ほど。アンティーク品であれば、入手が不可能であるため、メーカー対応となります。なお、軽い傷なら研磨によって修復できますが、多くの場合、交換することになります。また、ダイヤベゼルの場合には研磨によってダイヤが爪がすり減るなどリスクが高いため、交換が必須です。
ブレスレットがガタつく・切れた
ブレスレットはピンで接合されており、錆や衝撃によって抜けたり折れたりしてしまいます。ピンの打ち込み修理だけなら10,000円ほどで済みますが、変形により交換が必要な場合や、ブレスレットの種類によってはさらに高額な費用がかかります。

軽度な症状でも時としてオーバーホールが必要となり、多くの費用がかかってしまいます。
また、放置し続けると修復不可能になることもありますので、何かしらの異常が発生した際には、早急に修理してもらいましょう。