サブマリーナの上位機種として登場したシードゥエラー。サブマリーナがダイバーズウォッチの基礎を築いたとすると、シードゥエラーは、より深く潜水するプロダイバー向けの時計といえるでしょう。
ここではシードゥエラーの誕生秘話などをご紹介いたします。
事故が生んだ「シードゥエラー」の誕生秘話
シードゥエラーが誕生した背景にはサブマリーナの破損事故が関係しており、潜水会社「コメックス」のダイバーが使用していたサブマリーナがヘリウムガスの影響で風防が吹き飛んでしまうというアクシデントが起きました。原因はヘリウムガスの内部侵入によるもの。それを改善するべく、ヘリウムガスを排出するためのバルブがつけた「シードゥエラー」が開発されたのです。
飽和潜水において大活躍!
深海において難なく使用できるサブマリーナの欠点である飽和作用を改善すべく作り上げられたシードゥエラーは飽和潜水専門時計として今や多くの場面で活躍しています。
1971年に発売された初期モデルは水深610Mの防水機能しか持っていませんでしたが、80年代には1,220Mもの防水性能を記録するなど、深海における飽和潜水において無くてはならない存在となりました。
防水性能3,900Mを実現!
2008年に登場したRef.116660。5代目となる同モデルは、なんと3,900Mもの防水性能を誇るモンスターウォッチ。リングロックシステムと呼ばれる如何なる水圧にも対応できる構造を採用することにより3,900Mもの防水性を獲得したのです。
さらなる実用性の改良
深海作業をするダイバーにとって必要不可欠なもの、それがウエットスーツ。ロレックスはダイバーのための時計を作るべく、「ダブルエクステンションシステム」を開発しました。これは、ウエットスーツの着用を想定し、時計のブレスレットをウエットスーツの上からでも容易に調整できるというシステムのこと。細かな調整を必要としないため非常に利便性が高く、ダイバーにとっては嬉しい機能。
また、ムーブメントに関しても改良に改良を重ね、パラクロムヒゲゼンマイを採用することで幅広い温度変化に対応し、さらに耐磁性も向上しました。これにより、シードゥエラーの評価はさらに高まり、今や世界各地の深海調査隊のマストアイテムとなっています。