ロレックスの弟分「チュードル」はどのような理由で誕生したのか

2015年11月20日

チュードル イメージ

ロレックスには兄弟ブランド「チュードル」がありますが、なぜ一流メーカーであるロレックスが兄弟ブランドを創設したのでしょうか。
誕生当時の生い立ちから紐解いていきます。

1930年代における消費者の変化

1930年代のヨーロッパはというと、ちょうど懐中時計から実用的な腕時計へと流行が移り変わっていました。
そんな中、ロレックスは着々とその地位を高め、品質の高いオイスターパーペチュアルなどによって、信頼性や実績を獲得していました。

しかしながら、ロレックスの腕時計は非常に高価であり、一般消費者向けではありませんでした。
また、当時の背景として、それまでの高級志向は徐々に薄れていき、多くの人々がより安価なもの、コストパフォーマンスが高いものを選ぶという風潮に変わっていったのです。
それに従いロレックスの腕時計はますます高級ブランドとしてのイメージが強くなり、販売数が伸びないといった状況に陥っていました。

「チュードル」の誕生

そんな背景を受けてロレックスの創業者であるハンス・ウィルスドルフが、一般消費者向けにロレックスの兄弟ブランドとして、より安価な時計を扱う「チュードル」を創設。
ロレックス製の価格を下げてしまうと、より多くの顧客は獲得できるものの、ブランドイメージが崩れてしまいます。そんな経営戦略もあり、チュードルが作られました。

チュードルに使用されている多くの部品はロレックス製のものであり、ムーブメントなどを他社製の安価なものにすることで価格を抑えることに成功し、ロレックス製に近い品質を持つ腕時計を安く購入できるということから、たちまち一般消費者の間で人気を博すようになりました。

現在の「チュードル」

チュードルは長年に渡り、「ロレックスのおさがり」や「ロレックスの廉価ブランド」と言われてきました。それは、似通ったモデルを多く販売してきたことが原因。
しかしながら近年におけるチュードルは、”クレアローズ”といったロレックスにはない斬新なタイプの腕時計を発表するなど、ロレックスとは一線を引くかのような全く新しい時計を開発しています。

これまで「ロレックスのおさがり」や「ロレックスの廉価ブランド」と言われてきたチュードルですが、今後はロレックスと決別するかのように、独自に開発を進め、全く新しいタイプの時計を次々と展開していくのではないかと思われます。