希少価値があり高い評価を受けるイエローダイヤモンド
ダイヤモンドのカラーは一般的に4Cと呼ばれる国際評価基準で評価しますが、中には4Cの範疇に入らない価値を持った天然色のダイヤモンドが存在します。 ファンシーカラーダイヤモンドと呼ばれる種類のものです。
一般的なダイヤモンドは黄色味のある透明です。ダイヤモンドは炭素で出来ているのですが、地球の深部でダイヤモンドが生成される際、窒素が混入することで黄色味を帯びるのです。
4Cによるカラー評価基準では、黄色味が少なく無色透明に近いほどグレードが高くなります。無色透明のダイヤモンドほど希少性が高いというわけです。ところが、4Cカラー基準の最低ランクである「Z」よりさらに濃い黄色味を有するダイヤモンドは、これもまた希少価値が高くなるのです。
こうしたダイヤモンドがファンシーカラーダイヤモンドと呼ばれていて、魅力的な色合いのものはとても高い評価を受けます。ファンシーカラーダイヤモンドの色合いは黄色だけではありませんが、魅力的な天然のカラーを持ったダイヤモンドは、10,000粒に1つ程度しか存在しないといわれています。
イエローダイヤモンドも、その黄色が魅力的である場合、非常に価値が高くなります。 一般的なファンシーイエローよりさらに濃く鮮やかな黄色のものは「ファンシーインテンスイエロー」と呼ばれ、それよりもさらに鮮やかな色合いのものは「ファンシービビットイエロー」と呼ばれています。
「ファンシービビットイエロー」の黄色は、「黄色」というよりも「山吹色」と表現したほうがしっくりくるカラーで、イエローダイヤモンドの場合は、薄い黄色から山吹色に近くなるほど評価が高くなります。
「ファンシービビットイエロー」のダイヤモンドは別名「カナリーイエロー」ともいわれ、非常に高い評価のダイヤモンドとされています。 イエローダイヤモンドは、特に欧米で人気があります。
世界的に有名なイエローダイヤモンドのひとつに、あのティファニー社の「ティファニー ダイヤモンド」があります。
南アフリカのキンバリーで1877年に掘り出された287.42カラットの原石をティファニー社が購入し、82面にカットしたというものが、この「ティファニー ダイヤモンド」です。 世界最大級のイエローダイヤモンドとして知られるこの石は、今もニューヨークのティファニー本店に飾られています。 イエローダイヤモンドは、ティファニー社の歴史を飾ってきた宝石でもあるのです。