ミステリーに包まれたブラックダイヤモンド
世界で最も有名なブラックダイヤモンドとされるのは、「ブラック オルロフ」と呼ばれる67.5カラットのダイヤモンドです。ロシアの王女「ナターシャ・ペトローヴナ・オルロフ」が所有していたことから「ブラック オルロフ」と呼ばれるようになりました。
実はこのブラックダイヤモンド、ミステリーに包まれているのです。
実在しない王女の所有物?
「ブラック オルロフ」を所有していた王女・ナターシャ・ペトローヴナ・オルロフ は、ロシア革命の際、海外へ逃亡するための資金として、「ブラック オルロフ」を売り払ったもの、と推察する人が多いようでが、そのような王女は存在しない、という説があるのです。
そして、インドの南東部にあるヒンズー教寺院の彫像の「瞳」部分に付いていたのが、この「ブラック オルロフ」で、それは「ブラフマーの目」と呼ばれていた、という言い伝えもあります。
しかしこの説は、「ブラック オルロフ」とは全く別のホワイトダイヤモンドにまつわる言い伝えと、混同されているようです。
そもそもインドには、ブラックダイヤモンドが発見されたという記録は残っていません。
さらに「ブラック オルロフ」には、クッション・カットでカットされているのですが、このカット法は1世紀以上も前には存在しませんでした。
実に謎の多いダイヤモンドです。