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ダイヤモンド取引所の中で行われる価格交渉

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世界に16ヶ所あるダイヤモンドの取引所では、売り手と買い手が個別に売買交渉を行っています。
取引所内にオフィスを構えて常駐している業者もありますが、そうでない業者は「ブース」と呼ばれるスペースで交渉を行います。講堂のような部屋にたくさんの机が並べられていて、売り手と買い手は机を挟んで交渉を行います。

取引所内はちょっとした商業施設のような設備?

取引所の内部はとても充実した設備が整っている場合があり、銀行、郵便局、レストラン、なんと歯科などまで設けられていることも! でも、それにはちゃんとした理由があります。 取引所はセキュリティが非常に厳しく、駐車場では車の下部までチェックされ、警備員は銃を携帯しています。入退室の際にはIDチェックはもちろんのこと、顔の確認や指紋照合までしなければならないそうです。
そうした環境でむやみに外出するのは非常に面倒なので、内部の設備が充実しているというわけです。

取引の段取り

取引所内での取引は、まずバイヤー(買い手)が自分のオフィスの入り口に、今求めているダイヤモンドの品質などについての張り紙を掲示します。品質は4C、すなわち、色(color)、透明度(clarity)、重さ(carat)、研磨(cut)で指定ていて、その掲示を見たブローカー(売り手)がオフィスを訪ねてきて、交渉がスタートする、というわけです。

取引は通常、ロットと呼ばれる数十個や数百個の単位で行われます。ダイヤモンドは一粒一粒が違うものです。この段階では鑑定書は付いていませんので、バイヤーが品質を確認し、ロットの中から不要なものを除かななければなりません。言うまでもなく、この品質評価の判断はとても重要になります。

価格交渉開始!ポーカーフェイスを貫くのだ

さて、取引価格は交渉で決まりますので、買い手も売り手も真剣です。交渉術にも長けています。品質評価の力量だけでなく、交渉中の態度も重要です。雰囲気の飲まれるようなことがあっては良い交渉はできません。 品質評価を基に価格交渉を行うわけですが、大事なのは「yes、no」を明確にすることなのだそうです。そして相手の質問をはぐらかさず、迅速に答えを返すのだそうです。 また、欲しいダイヤモンドがあったとしても、それが顔に出ないようにする必要もあるそうです。顔に出て見抜かれてしまうと、売り手は最安値を提示することはありません。ポーカーフェイスが必要なのです。

お互いが納得できる価格で折り合いがつけば、取引成立です。売り手と買い手は握手をしながら、「マザール(神のご加護あれ)」というヘブライ語(ユダヤ人が母語としていた言語)を交わします。これで契約完了。契約書類等を交わすことはないそうです。 ダイヤモンド取引所に出入りする業者の多くはユダヤ人です。口頭で契約が完了する商習慣は、ユダヤ人社会の結束の固さからきているようです。
もし万が一約束を破れば、ダイヤモンド業界ではもう二度と仕事ができなくなるのだとか。

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