エルメスのバッグ・ボリードはファスナーバッグの先駆者

エルメスのバッグ・ボリードはファスナーバッグの先駆者

エルメスの人気バッグ「ボリード」の確かな歩み

エルメスの歴史と伝統を誇るバッグ「ボリード」が誕生したのは、1923年。長い歴史を持ち、現代まで受け継がれてきたタイプのバッグです。
年数で言われると、いまいちピンと来ないかもしれませんね。「ボリード」のバッグが生まれた1923年と言えば、エルメスではまだあの有名な「バーキン」さえ登場していない年代になります。つまりエルメスのバッグの歴史と伝統を語る上で、この「ボリード」を抜きにして、話を進めることは到底出来ないのだということなのです。
この「ボリード」、そもそもは自動車移動の際を想定して作られたバッグなのです。移動中、バッグの中身が飛び出してしまうことがないよう、ファスナーをつけたことが始まりです。今では当たり前のようにどんなバッグにも使われることが多いファスナーを、バッグに使おうと初めて試みたのは、エルメスというブランドなのです。
当時の社長が、第一次世界大戦中のカナダにおいて、軍用車の幌でファスナーをみて、バッグに組み込むことを考えたことが始まりでした。
この「ボリード」、発売当初の名前は「ブガッティ」でした。フランスを代表する高級自動車ブガッティから名前をとっており、その自動車は「走る宝石」とまで言われたとても美しく素晴らしいものだったのです。これが1920年のこと。紆余曲折を経て、「ボリード」という名前に収まったのが、1923年のことでした。

エルメスのボリードとファスナーの美しさ

エルメスのバッグにおいて、ボリードが他の髄を許さないのは、やはりそのファスナーの存在。ただ機能的であるというだけではなく、エルメスの最高級バッグとして恥じることのない美しさを保っていることもまた大きな魅力となっています。
前提としてファスナーが存在し、その金属部分を中心としてバックが組み立てられていくため、ミスマッチな金具としてバッグ全体のシルエットから浮いてしまうのではなく、しっかりと馴染んだバッグになっていくのです。
エルメスならではの多様なサイズ展開もまた嬉しいポイントです。
「ボリード15」のような小さなサイズのものは、ちょっとした外出のときのバッグとして活用することもできますし、室内用の小物入れとしても活躍してくれます。
「ボリード21」「ボリード27」「ボリード30」「ボリード31」「ボリード37」「ボリード47」とサイズ展開が特に多いので、あなたの理想にあったものは探しやすいですね。人気サイズやファッションに合わせたサイズ、全体の収納量などを考えて、ボリードをいくつも持っているエルメスファンもたくさんいます。

使い込むほど馴染む素材とエルメス・ボリード

ボリードの素材として最も人気があるのは牛革。使い込むほどバッグの持ち主の心が反映されるように、味わいが深くなっている素材なので、普段持ち歩きたいサイズの手頃なボリードにはぴったりです。
また、ブッフルと呼ばれる水牛の革素材も注目を集めているひとつです。素材としての人気度合いだけでみると、牛革には及ばないものではありますが、水気や衝撃に強い素材であるため、バッグに強度を求める人からの人気は高い傾向にあります。野外で過ごす時間が長い人や、移動距離が長くなってしまう人の場合、その素材を選ぶことは多くなっています。
バッグに使用する素材ひとつで、全体的なカラーリングも光沢の感覚も変わっていきます。普段使いをするボリードのようなバックですから、存分に活かしていきたいところでしょう。