ロレックスの代表モデルであるGMTマスター。
そこには「GMT」という名が使われていますが、「GMT」とは一体何のことなのでしょうか?
ここではGMTの概要と共に、ロレックスがGMTを採用した動機をご紹介します。
GMTの意味とは?
ロレックスのGMTマスターの名前についている「GMT」、これはグリニッジ標準時(Greenwich Mean Time)のこと。
グリニッジ標準時というのはイギリスにあるグリニッジ天文台が観測する時刻のことであり、多国間の時刻を表すためにGMT+1やGMT+2と表記されているものがこれにあたります。日本の場合、経度が135度であり、15度おきに1時間の時差が起きることからGMT+9と表記されます。
グリニッジ天文台が計測する時刻が正式に国際標準となったのは1884年のことで、アメリカのワシントンで開かれた国際会議で正式に採用されました。
UTCとJST
GMTの他にも多国間の時差を示すUTCが存在します。
UTCは協定世界時と呼ばれ、GMTと同様であるものの、GMTの細かな時刻のズレを調整するために「閏秒(うるうびょう)」が追加されたものがこれにあたります。
JSTとは協定世界時であるUTCを9時間進めたもので(UTC+9)、日本における標準時間を示したものです。そのため日本標準時と呼ばれ、これは日本の独立行政法人である情報通信研究機構によって供給されています。
ロレックスがGMTを採用している理由
JSTは日本独自の時間ですが、UTCもGMT同様に世界基準となっています。そのため、なぜロレックスはUTCではなくGMTを採用しているのか、そう疑問に思う方もいるでしょう。
まず、UTCよりもGMTが先に世界標準となり一般的であること。これが大きな理由です。GMTマスターが発売された当時は、UTCはまだ採用されていませんでした。
また、GMTはイギリスのグリニッジ天文台の測定を基にしており、ロレックスはもともとイギリスのメーカーであったということも理由に挙げられます。
主にこれらの理由からGMTが採用されたのです。