1933年~55年までのロレックスの時計に見られるバブルバックの概要と歴史

2015年11月17日

ロレックス オイスターパーペチュアル

アンティークロレックスのバブルバックという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
時計に防水機能が備わっていなかった時代に、世界で初めて防水機能を備えたモデルのことを表しています。

世界中のロレックスファンに大人気のバブルバックについて、概要と歴史をご紹介いたします。

バブルバックとは

1933年、世界で初めて完全防水性能を持つ自動巻腕時計を開発・発表したロレックス。その時、作られた完全防水自動巻き腕時計のことを総称してバブルバックと呼びます。
完全防水にしたことで搭載するムーブメントなどの厚みが増してしまい、従来の裏蓋が使用できなくなってしまったのです。
そこでロレックスが開発したのがバブルバックという厚みを持った裏蓋。裏蓋の厚みが泡のように膨らんでいることからバブルバックと呼ばれるようになりました。

ただバブルバックというのはアメリカにおける愛称であり、正式名称はオイスターパーペチュアルです。
1933年に発売されてから1955年まで使用されていましたが、現行では使用されていなくアンティーク時計にのみに見ることが出来ます。
特殊な形状であるがためロレックスファンに絶大な人気を誇っています。

1stモデル&2ndモデル

1933年~1935年までがバブルバックの1stモデル。8 3/4ハンターが搭載され、ムーブメントを覆うカバーには分解マニュアルが書かれており、これはバブルバックを初めて見る職人のために用意されたもの。
また、緩急針のスロットが開けられており、これは1stモデルだけに見られる特徴となっています。

1935年に発売された2ndモデルは基本的に同じ構造ですが、バブルバックが浸透した事と精度が上がり故障の頻度が急激に減ったことで分解マニュアルがなくなり、さらに緩急針のスロットもなくなりました。

3rdモデル&4thモデル

1941年から1943年にかけて製造され3rdモデルは9 3/4ハンターが搭載され、テンプが大きくなったことにより精度が格段に上昇しました。9 3/4はハンドバックの製造終了まで続くほど、当時において絶対的な精度を誇っていたのです。

1943年に発売された4thモデルはスイスのクロノメーター協会から正式に認定を受けたモデルが登場し、世界的な信頼性が格段に上がりました。

5thモデル&6thモデル

1945年に発売された5thモデルはローターにパーペチュアルの文字が刻まれるようになり、バブルバックからパーペチュアルの名が広く浸透するようになりました。
そして、1946年に発表された6thモデルは、従来の設計を一新し、ローターの傾斜を2段階にするなど、様々な点に改良が加えられています。
この構造により裏蓋の形状が綺麗なラウンド型になり、バブルバックに相応しいふっくらした泡のような優しい形を描いています。

6thモデルがバブルバックの最後のモデルで、1955年に製造終了になるまでこのモデルが使用されました。